陥入爪と巻き爪 お悩みから探す

陥入爪と巻き爪とは

「爪が食い込んで痛みがある、爪のまわりが赤く腫れて、ボコボコとした赤いものが盛り上がってきた」、こんな訴えで来院する患者さんは少なくありません。これは爪が皮膚に食い込んだために起こる陥入爪の症状です。「陥入爪」と「巻き爪」はしばしば混同されています。まず陥入爪と巻き爪とはどういうものなのかお伝えし、陥入爪の治療について私が行っている方法を中心に紹介します。

陥入爪と巻き爪とは

症状

陥入爪

爪の側縁が皮膚に食い込んでいる状態です。爪が皮膚に食い込むことで痛くなります。傷ができて周囲の皮膚に炎症を起こり、細菌感染を合併すると膿を持ったり、赤みや腫れ、痛みがさらに強くなります(化膿性爪囲炎)。また、肉芽という赤いボコボコが形成されることもあります。

巻き爪

爪甲が逆U字型に過度にわん曲している状態です。爪が皮膚に食い込む(陥入爪)原因の一つが、爪のわん曲による変形ですので、巻き爪は陥入爪にしばしば合併します。

巻き爪になると爪と爪の下の皮膚(爪床)の間に隙間ができることが多く、そこに爪水虫が生じることもあります。

原因

陥入爪

①深爪(爪の両端を短く切ること)。爪を切った断端がトゲの様に残って皮膚を押すこともあります。

②合わない靴の使用、間違った靴の履き方により横方向の力が加わること

③巻き爪や爪水虫、そのほかの爪の病気による爪の変形

④オーバーサイズネイル(ゆびの幅に対して爪の横幅が広すぎる)など。

⑤肥満(爪と爪の周囲に体重がかかるため、爪の周囲の皮膚が盛り上がり爪が食い込む)。

巻き爪

① 垂直方向の荷重不足(外反母趾などによる足趾の変形、浮きゆび:爪はもともと内側に巻く性質があります。この巻こうとする爪を、上から地面を押しつける力と地面から押し返される力のバランスで巻かないようになっています。この上から押す力が弱いとゆびは浮いてきますし、爪も巻いてきます。)

② 合わない靴の使用、間違った靴の履き方による圧迫

③ オーバーサイズネイル、④ 爪の両端を斜めに切ること(否定的な意見もあります)など。

当院の治療方法

陥入爪の治療

爪水虫が疑われる場合は、顕微鏡検査をします(鏡検)。爪の変形の原因となる他の病気がないことも確認します。

 

①  コットンパッキング:爪と皮膚の間に綿花(綿球を解したもの)を挿入し爪と皮膚のぶつかり合いをやわらげる方法です。医療用ボンドで固定することもあります。ボンドと綿花の使い方次第で、「人工爪」(ネイルアートで使用するガラスフィラーなどを用いて爪を足す方法。爪が短すぎて爪前方の皮膚が隆起して爪と皮膚がぶつかり合う場合などに有用。)の代用にすることもできます。ガター法(細いナイロン製のチューブを開いて爪の側縁を包む様に挿入する方法)を行う施設もあります。

 

②  テーピング:皮膚をテープで外側や前方に引っ張り、爪と皮膚のぶつかり合いを緩和させる方法です。

 

③  爪の楔状切除:爪を斜めに切って爪と皮膚のぶつかり合いを緩和させる方法です。

 

④  巻き爪のワイヤー矯正:巻き爪の治療法です。巻き爪を伴っている陥入爪に適応があります。爪に上向きの力を加えることができますので、巻き爪でなくても爪が下方向に陥入している場合は有用です。爪の遊離縁に弾性ワイヤーを通して、ワイヤーが直線に戻ろうとする力を利用してわん曲した爪を平らにする方法です。①②③と併用することもあります。保険適応外治療です。
ワイヤー矯正は1〜2ヶ月ごとに入れ替え、多くの場合2〜6回ほど繰り返します。また矯正終了後、巻き爪が再発することがあります。

 

⑤  フェノール法:①〜④で難治な場合や、再発を繰り返す時に行うか考えます。非可逆的な治療であること、数年後巻き爪になったという報告もあり、治療に対して批判的な意見もあります。私はオーバーサイズネイルに有用であり、また片側のみ治療する場合はその後の経過も問題ないと考えています。治療前の局所麻酔が必要です。

 

⑥  肉芽の処置:軟膏療法、硝酸銀による焼灼や液体窒素の冷凍凝固などを行います。
①〜⑤を併用するとよい結果が得られます。

 

⑦  抗生剤の投与:二次感染を併発している場合に使用します。

巻き爪の予防

巻き爪を予防するには、①正しい歩き方②靴の選び方、履き方③爪の切り方が大切です。巻き爪の原因をチェックし、垂直方向に荷重をかけるエクソサイズを紹介し、ワイヤー矯正終了後の再発防止に努めています。
足と足指の変形を矯正する5本指靴下「YOSHIRO SOCKS」もお勧めしています。クリニックで購入していただけますので、スタッフにお声かけください。

この記事の執筆者

院長 皮膚科専門医 秋元幸子

院長 皮膚科専門医 秋元 幸子

あきもと皮フ科クリニック 院長 秋元幸子(あきもとさちこ)
昭和61年に群馬大学卒業後、約15年間、群馬大学を中心に皮膚科医師として臨床診療、研究、教育に従事。同大学院博士課程修了。大学在籍中の2年間、前橋赤十字病院皮膚科医長として臨床診療に専念し、また1年間米国テキサス大学に留学し臨床見学と基礎研究を経験。石井病院皮膚科勤務を経て平成14年あきもと皮フ科クリニック開院。

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